この章では、Pythonプログラムの基本的な構造や文法、変数の使い方など、Pythonの基本的な要素について学んでいきます。これらの知識は、Pythonでプログラムを作成する際の基礎となります。
2.1 Pythonプログラムの構造
Pythonのプログラムは、非常にシンプルで分かりやすい構造を持っています。基本的には、上から下に向かって順番に命令が実行されます。Pythonでは、コードブロックをインデント(スペースやタブで行の先頭を空けること)で表現するのが特徴です。
コード例:基本的なPythonプログラム
def greet(name):
print(f"Hello, {name}!")
greet("Alice")
上記のコードは、greet
という関数を定義し、greet
を呼び出すことで「Hello, Alice!」と出力します。Pythonでは、コードブロック(例えば、関数の内部)を示すためにインデントを使用します。このインデントがPythonの構文において非常に重要です。
2.2 コメントの書き方とコードの可読性
プログラムの中で、コメントはコードの説明やメモとして使われます。コメントを使用することで、他の開発者がコードの意図を理解しやすくなり、コードの可読性が向上します。Pythonでは、#
記号を使ってコメントを記述します。
コメントの書き方
# これはコメントです。この行は実行されません。
print("Hello, World!") # ここにもコメントを書けます
上記のコードでは、#
の後ろに書かれた部分はコメントとして無視されます。
コメントの役割
- コードの目的を説明:なぜそのコードが必要なのかを説明する。
- 注意点を強調:コードの中で特に注意が必要な部分を記述する。
- 後の修正や改善のためのメモ:今後の変更点や改善案を書いておく。
2.3 データ型と変数の宣言、初期化
Pythonでは、変数を使ってデータを保持することができます。変数はプログラム内で何度でも使用できる名前付きの記号で、値を保持するために使用されます。
変数の宣言と初期化
Pythonでは、特定の型を指定することなく変数を宣言し、値を代入できます。
# 変数の宣言と初期化
age = 25 # 整数型 (int)
name = "Alice" # 文字列型 (str)
is_student = True # ブール型 (bool)
height = 1.75 # 浮動小数点数 (float)
- 整数型(int):整数値を保持します(例:25)。
- 文字列型(str):文字列を保持します(例:”Alice”)。
- 浮動小数点数型(float):小数を含む数値を保持します(例:1.75)。
- ブール型(bool):
True
またはFalse
の値を保持します。
データ型の確認
Pythonでは、変数のデータ型を確認するためにtype()
関数を使います。
print(type(age)) # <class 'int'>
print(type(name)) # <class 'str'>
2.4 定数とリテラル
定数は一度定義したら変更しない値のことを指します。Pythonには定数の専用構文はありませんが、一般的にすべて大文字の変数名で定数を表現します。
定数の例
PI = 3.14159
MAX_SPEED = 120
このように、大文字で定数を定義することで、他の開発者に「この値は変更しないもの」という意図を伝えます。
リテラル
リテラルはプログラム内で直接記述される値のことを指します。たとえば、次の例の「25」や「’Alice’」がリテラルです。
age = 25 # 整数リテラル
name = "Alice" # 文字列リテラル
この章では、Pythonの基本的なプログラム構造、コメントの使い方、データ型と変数の宣言方法、そして定数やリテラルについて学びました。次の章では、Pythonでの演算子や式についてさらに詳しく学んでいきます。